むかしむかし、あるところに、男と女がおりました。
なぜかしら惹かれあった二人は、気がつくと一緒に暮らしておりました。
男は芝刈りに、女は洗濯に。
そしていつか子供がたくさんうまれました。
二人は子供達をかわいがり、末永く幸せに暮らしましたとさ。
めでたしめでたし。
人類が誕生してこの方、国も法律もない時代でも、男女は助け合って、命を繋いできました。
こうしたカップルのことを結婚というなら、それはある意味正解だと思います。
「さあ、二人で神の祝福を」
時は中世、靴職人ダニエルは、燃え盛る情熱に胸を焦がしながら、花売りの娘フランソワに決意を告げた。
「ええ、愛しい私のダニエル」
翌日、二人は教会で式を挙げ、司祭様の前で永遠の信仰と愛を誓ったのだった。
続く。
宗教や慣習上の儀式としての結婚式は、今でも人生の一大イベントです。
カップルに今までとは違った決意をさせてくれます。
本当に結婚するんだという実感が、一番感じられる瞬間かもしれませんね。
結婚といったらやっぱりこれでしょうか。それもある意味正解だと思います。
「あなた、大根買うついでに、婚姻届だしてきて」
平日の昼下がり、バスで20分のところにある町役場。
「はい、次の方ー」
黄色い腕章をしたおじさんに、印を押した紙切れを提出する。
「ここ直して。はい、いいですよ。ごくろうさま」
結婚とは何か。
法律上は、これが結婚です。
ちょっと地味ですね。
二人の燃え盛る愛情は、法律ではどこで表現すればいいのでしょうか。
役場のおじさんに婚姻届を渡す瞬間でしょうか。
おじさんも照れてしまうかもしれませんね。
あるいはドレスとタキシード、黒塗りの車で役場に乗り付けたらいいのでしょうか。
やりたければやってもいいですが、法的に意味はまったくありません。
残念ですね。
◆結婚とは◆
さて、ともかく、この結婚によって、夫婦のいろんな権利や義務が生まれるのです。
このサイトでは、そんな結婚と、そして離婚について、知っているようで知らない、法律ではどうなっているかを、できるだけわかりやすく解説してみたいと思います。