◆協議離婚の注意点
協議離婚は離婚届を役場に提出するだけの簡単な離婚です。
離婚する時というのは、どうしても感情的になってしまいます。中には、一刻も早く別れたいと思い、署名した離婚届を相手に預け、すべて任せてしまう人までいます。
ただ離婚は、個人の人生や財産に直結する法的な意味を持つ手続です。感情のおもむくままに離婚してしまっては、後で後悔しかねません。
特に、子供の親権と養育費、財産分与、どちらかに不法行為があるなら慰謝料。この三点は必ず明確に決めておくべきです。
そしてこれらの決定事項を将来に渡って実現するために、できれば執行文言付きの公正証書を作成しておきましょう。
この公正証書があると、例えば決めた慰謝料や養育費を支払わない時に、相手の給料を差押えることが可能です。
公正証書は、自分でも作れなくはないですが、一般には弁護士や行政書士に頼んで作ってもらいます。
世間にはこうした手続をやっておかなかったばかりに、養育費の支払いが止まってしまい泣き寝入りしているお母さんや、非常に困窮した生活を送るシングルマザーの方が大変多いです。
法律の格言に、「権利の上に眠る者は保護されない」という言葉があります。権利があっても、権利を実現するための努力をしなければ、権利は実現しないのだ、という意味のとても厳しい言葉です。特に、せちがらいこの世の中を、これから1人で生き抜こうという時には、自分の権利に敏感になることが必要でしょう。